足底筋膜炎の記録②:治療とぶり返し、そして「回内」との出会い

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この記事は個人の体験記録です。治療法の選択や運動再開のタイミングは、必ず医師と相談してください。

前回の記事では、発症から「足底筋膜炎」と診断されるまでを書きました。

診断がついて、体外衝撃波治療も始まった。原因も治療法も分かったんだから、あとは治るのを待つだけ——って、正直思ってたんです。

甘かったー。

今回は、治療開始からのぶり返し、セルフケアでやらかした話、そして痛みの根本原因かもしれない「回内」に気づくまでの話です。あと、回復期の生活態度についても白状します。

筆者(イチョウ)について
ランニング歴2年。初フルマラソン3時間47分完走。
現在サブ3.5を目標にリディアードのランニング・トレーニングを参考に走り込み中です。

この記事でわかること

  • 体外衝撃波治療、実際どうだったか
  • 「痛みが引いた」と「治った」は全然別物だった話
  • セルフケアをやりすぎて、もう一箇所壊した話
  • ぶり返し後に始めた裸足ラン・サンダルランのこと
  • 雑誌と本から「回内」にたどり着いた経緯
  • 回復期のくせに酒ばかり飲んでいた反省
目次

体外衝撃波治療、はじめました

6月6日の診断から、体外衝撃波治療がスタートしました。

体外衝撃波治療というのは、患部に衝撃波を当てて組織の修復を促す治療法です。難治例に使われることが多いようですが、私の場合は早い段階から提案されました。

受けてみた感想を正直に言うと——痛みは引くし、良くなっている感じは確かにあります。

私の場合は一回の治療で劇的に治るわけではありませんでした。通院のたびに良くなったと実感できましたが、なかなか、完全に痛みが取れるという日々になるまでは時間がかかるようです。

6月12日〜16日:ランオフで見えた光

治療と並行して、6月12日から16日まではほぼ完全にランニングをお休みしました。

すると足の痛みは、目に見えて引いていったんです。

「休めば治るじゃん」

そう思ったんですが……。

調子に乗って12km。そしてぶり返し

痛みが引いたのでランニングを再開。最初は様子見のジョグをしていました。

いけると思った私は、その日12km走りました。しかも気持ち早いペースで。

結果、痛みは見事にぶり返し。振り出しとまでは言わないものの、明確な後退でした。

ここで学んだのが、足底筋膜炎の一番厄介な性質です。

「痛みが引いた」と「治った」はまったく別物。

炎症が落ち着いて痛みが消えても、組織の回復はまだ途中。そこに12kmの負荷をかければ、ぶり返すのは当然かも。走れてしまうからこそ、自分でブレーキをかけるしかない怪我なんだよなぁ、と。

ぶり返した後は、体外衝撃波治療をリハビリみたいな位置づけで週に1度程度受けました。この間も痛みが引くときには慎重にランニングをしていると、徐々にですが、痛みは引いていきました。

裸足で芝生を走ったら心地よかった話

ぶり返し後に始めたことがもうひとつあります。裸足で芝生を走ること。

痛めた足で裸足なんて、と思われるかもしれません。でもほんの少しの距離を、芝生の上で、走ってみたら、これが良かったんですよ。

足本来の機能性を感じました。足裏で地面を感じながら走ると、シューズ越しには分からなかった自分の着地の癖とか、足指の使えてなさが伝わってくる。足裏のセンサーが再起動する感じです。

この延長でサンダルランも取り入れて、今も週に1度程度、続けています。ただし距離とスピードには細心の注意を払って。裸足系は足への刺激が強いぶん、調子に乗ればまた壊すのは目に見えているので、あくまで「短く、ゆっくり、感覚を磨くため」と割り切っています。

そしてこの「足裏の感覚」が、後で書く気づきへの伏線になります。

セルフケアのやりすぎで、別の場所を壊す

この時期、治したい一心でセルフケアにも励んでいました。柔軟は毎日。ただやりすぎには注意。

失敗①:筋膜ローラーを強くかけすぎて、ふくらはぎが肉離れっぽい状態に

「強くやるほど効く」と思い込んで、ふくらはぎをゴリゴリ。結果、筋肉痛を超えた痛みが出て、しばらく肉離れみたいな状態になりました。足裏を治そうとして、ふくらはぎを壊す。本末転倒とはこのことです。

失敗②:テニスボールで足裏をゴリゴリやりすぎる

足底筋膜炎の定番セルフケアなんですが、これも「痛いほど効いてる」と勘違いしてやりすぎた時期がありました。

教訓はシンプルです。何事もやりすぎは禁物。セルフケアは「気持ちいい」の範囲まで。痛みを我慢してやるもんじゃなかったです。

今は体重を乗せすぎないことを意識して注意しながら筋膜ローラーを使ってケアをしています。

なぜ治りきらない? そして「回内」に気づく

治療は効いているはず。休めば痛みは引く。でも、走るとどこかで痛みが顔を出す。

「そもそも、なんで右足だけ痛くなったんだ?」

この疑問に向き合わざるを得なくなりました。思い当たることを挙げていくと、ひとつの仮説が浮かびます。

  • 痛いのは右足だけ
  • 右足は左足より幅が広い

もしかして、着地のときに足が内側に倒れ込んでいる(=回内・オーバープロネーション)んじゃないか?

雑誌と本で答え合わせ

YouTubeのフォーム解説動画はさんざん見ていたんですが、断片的な情報だと確信が持てない。そこで雑誌『ターザン』を買い、鈴木清和『確実に速くなる ランニングの科学』(池田書店)という本も読みました。

YouTubeだけじゃ分かんないことって、やっぱりあるんすよね。

確実に速くなる ランニングの科学』のPART7「どんなに走っても故障しない走り方を身に付ける」に、ややガニ股・O脚気味に走ることで足底の痛みが緩和されるという趣旨の記述があります。これはつまり、足を回内させすぎないように走るということと解釈しました。

私の痛みが出るポイントは、まさに回内で負荷がかかる場所でした。思えば、長年履いた右足のシューズの形が内側に向かって型崩れしていたことも根拠になりました。

ちなみに調べる過程で、こんな話も知りました。回内を放置してアーチが崩れ、成人期扁平足になると、一度低下したアーチが自然に戻ることは少ないそうです(日本整形外科学会などの解説より)。治療で痛みや機能は改善できるものの、崩れたアーチそのものは基本的に復元しない。

戻らないなら、崩れる前に守るしかない。

回内対策は「今の痛みを治す」だけじゃなくて、「10年後も走れる足を守る」ための投資なんだと考えるようになりました。

回復期なのに、お酒を飲みすぎていた

「なぜ治りきらないのか」を掘っていく過程で、靴やフォーム以外にも思い至ったことがあります。

この時期、やたら酒を飲んでいました。

走れないストレスに伴うものかと思います。季節的にも、いわゆる5月病になりそうな時期。「気分が沈まないように」と自分に言い訳しながら、飲む量は明らかに増えていました。

よく考えるとアルコールは睡眠の質を下げるし、体の回復にとってプラスになる要素はほぼありません。組織を修復してほしい回復期に、わざわざ回復を妨げていました。

ここまでの教訓4つ

1. 「痛みが引いた」と「治った」は別物 走れる体に戻るまでには、痛みが消えてからさらに時間が必要でした。距離は段階的に。身体との対話が重要ですね。

2. セルフケアは「気持ちいい」まで 筋膜ローラーもテニスボールも、強くやるほど効くわけじゃない! 怪我につながる危険性もあります。

3. 「なぜ痛くなったか」まで深く掘ると、対策が変わる 安静と治療は対症療法。原因(私の場合は回内)にたどり着いて初めて、再発予防の話ができるようになりました。

4. 回復は「走らない時間」の過ごし方で決まる 治療とケアを頑張っても、酒と睡眠不足で帳消しにしていたら意味がない。回復期の生活習慣も治療の一部でした。

次回予告

回内という原因候補が見つかった。じゃあ、どうするか。

答えは大きく2つ。走り方を変えること、そして靴を変えることでした。長年履き続けた小さい靴との決別、人生初の「安定シューズ」購入、フォーム改造の試行錯誤。

次回「足底筋膜炎の記録③:シューズと走り方をどう変えたか」に続きます。


足底筋膜炎シリーズ

  1. 発症から診断まで
  2. 治療とぶり返し、そして「回内」との出会い(この記事)
  3. シューズと走り方をどう変えたか(準備中)
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